
はじめまして。八洲(やしま)学園大学で司書、司書教諭、学校司書養成に携わっています野口久美子と申します。2025年12月に郵研社さんから『蛾のおっさんと考える学校図書館のモヤモヤ35』を山本みづほ先生、野口武悟先生との共著で出版しました。そのご縁でこの連載のお話をいただきました。
私はこれまで20年ほど、学校図書館の研究をしていまして、全国の学校図書館を訪ねたり、司書教諭や学校司書の皆さんのお話を伺ったりしてきました。そんな中、「学校司書が集まって、“放課後カフェ”という名のお茶会を始めたらしい」という噂を耳にしました。これは気になる……というわけで、こっそり覗きに行くことにしました。放課後カフェに集うメンバーは次の3人です。
3人集まると、とにかくおしゃべりが止まりません。お茶をしながら、途切れることなく会話が続きます。その内容は学校図書館で出会う子どもたちとのちょっとした出来事であったり、先生とのやり取りであったり、選書やレファレンスに関する相談であったり、はたまた学校教育に関する疑問であったり、学校司書の仕事をめぐるジレンマであったり、話題は実に様々です。どの話題も興味深く、決して愚痴で終わることはありません。「こんな視点もあるんじゃない?」、「こういうことかもしれないね」と、いつも前向きです。3人とも本当に子どもが好きで、学校図書館の仕事に愛着を持っていることが分かります。
図書館で働く人の間でも、そして学校で働く人の間でも、学校図書館の役割や学校司書の仕事はまだ十分に知られているとはいえません。「学校図書館って何ができるの?」、「スマホで何でも調べられる時代に読書は必要?」――そんな声も耳にします。こうした疑問にも3人の学校司書がきっと答えてくれるはず。読者の皆さんも私と一緒に、にぎやかな“学校司書の放課後カフェ”を覗いてみませんか?
あ、美味しそうな珈琲の匂いがします。今日も放課後カフェが始まったようです。
* * *
春咲しおん(以下、「しおん」)
私は週に2回しか勤務がないから、図書館にいない日もあるのね。そうしたら、勤務日に2年生の男の子がきて、「何で昨日、いなかったの?」って聞くの。「昨日はね、お休みで学校には来れなかったんだよね」って返したら、「図書室の先生なのにさ。何で毎日いないの? 」って言うの。
日向あおい(以下、「あおい」)
おっしゃる通りだよね~
梅野あかり(以下、「あかり」)
図書館にはいつも司書がいるのが当然って思ってくれてるんだね。
しおん 公共図書館はそれが当たり前だし。学校図書館だって同じだよね。だから、「私もそう思う」って返したよ。「私も同じふうに思ってるよ」って。
あかり 子どもは本当に感じたことをパッと言ってくれるよね。
しおん そうだよね。本当にストレートにね、おかしいと思ったら、「なんで?」って。かわいいよね。
あおい 校長先生の前でも言ってほしい~!
あかり その子は図書館の常連さんなの?
しおん 学校から帰る方向が一緒らしくて。私と学校で会うたびに、「今日、一緒に帰ろう」って。そういう子どもとのやりとりって本当になんかね、かけがえのないってことだよね。 本当に一つ一つが宝物っていうかね。
あかり 自治体によっては、しおんさんや私のように、勤務が週に何日かだったり、勤務時間が3~4時間と短かったりするよね。そうすると、必要な時に子どもに本を手渡せなかったり、先生の要望に応えられなかったりする。子どもたちが学校にいる時間は図書館にいたいんだけどね。「なんで、図書館の人なのに毎日いないの?」って疑問、忘れずにずっと持ち続けてほしいなぁ。
あおい 小学生って、話の取り止めがないのも可愛いなと思ってて。 こないだは、突然「昨日ね、お兄ちゃんお誕生日だったの」って言ってきた男の子がいて。「そうなんだ~、おめでとう~!」とか言って。時々、びっくりする展開になるっていうか、次の瞬間には違う話をされるから。かわいいって思って。
しおん 昨日もね、 1 年生の女の子が図書室に入ったと思ったら、「来た!」って(笑)
あおい 「〇〇、参上!」みたいなことね(笑)
しおん 笑いながら、「こんにちは、いらっしゃい」って言って。
あかり かわいいね~。
まだまだ話は続きそうですが、今回はここまで。次回もお楽しみに!
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