
冬の秋田は小正月行事が目白押し。五穀豊穣、家内安全、商売繫盛などなど、厳しい冬を乗り越えるための「祈り」「願い」のこもった行事が様々な地域で行われる。横手のかまくらもそのひとつ。約450年の歴史を持つといわれ、かまくらと呼ばれる丸い雪室の中に水神様を祀り、その中で火鉢を囲む。かまくらの中で焼いたお餅や甘酒を振る舞う接待役を子どもたちが担い「あがってたんせ」と声をかける様子は訪れる人を笑顔にし、写真撮影がひっきりなし。夜の闇に浮かび上がる幻想的なかまくらの姿も子どもたちの様子も写真映え間違いなしなのである。
かまくらまつりの期間は大勢の観光客が横手にお越しくださる。(横手市役所の発表では昨年比8万人増の25万人!)駅前にある勤務館もミニイベントを行ったり甘酒のふるまいがあったので、休憩もかねて立ち寄る人が途切れなかった。
「オリジナル缶バッチをつくろう」というミニイベントを随時どなたでもどうぞ、として行っていたので、立ち寄った観光客の方とお話する時間が多かった。どこからいらしたのか尋ねると、フランス、台湾、韓国、広島、京都、東京、札幌などなど。
台湾の方は札幌に行って、青森に寄って横手に来たとのこと。この後は仙台に寄って東京に行って帰国するという。見たかった雪を満喫してるのと笑顔で話す一人旅の可愛いレディだった。
広島から来られた方はなにやら可愛いマスコットがトートバッグから覗いている。この子はどなたと聞くとバスケットボールチームの広島ドラゴンフライズのマスコット「モヒカンアビィ」だと教えてくれた。秋田ノーザンハピネッツの「ビッキー」みたいなことですね!と同じB1リーグの話をすると、ドラゴンフライズのつぎにノーザンハピネッツを応援しているんです、って!! 翌日は秋田VS茨城ロボッツの観戦に秋田市へ行かれるとのこと。なんて嬉しい!!
札幌から来られた方は、図書館にある高橋優コーナーをじっくり眺めておられた。(高橋優さんは横手市出身のシンガーソングライター)優くんの地元に来てみたかったといい、優くんをモチーフにした雪像があるのを喜んでいた。
横手のかまくらまつりの魅力もさることながら、推しのある人生って眩しい!ってことを感じた二日間だった。
「推し活」というワードが新語・流行語大賞にノミネートされたのが2021年。特定の誰か、あるいは何かを人にお薦めしたいほどに大好きなのだと明るく語れることは最高だと思う。
一年間、定期的に読み聞かせに行っている朝の時間も終盤になってきた。最後に6年生を担当したときに読む絵本は『雪の写真家ベントレー』(ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン作、メアリー・アゼアリアン絵、千葉 茂樹訳、BL出版、1999)と決めている。生涯を雪の研究と結晶の写真撮影に捧げたウィリー・ベントレーの伝記絵本。ウィリーの推しはもちろん雪だ。
「ちょうやりんごの花もきれいだけれど、雪の美しさは、どんなものにもけっしてまけない。ウィリーは、そう思っていました」との一文に、毎回泣きそうになる。冬の厳しさや寂しさを知っている、この横手で育った子どもたちが中学生になることを祝う気持ちと、ウィリーのように大好きなことを諦めずに続けていける大人になってほしいなという気持ちでいっぱいだ。
私も来月は推し活に励むのだ!日常の中に彩りを加える推しの存在は最強だね。(石)
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