
先日、読み聞かせの研修会に参加した。講師は公共図書館で長く児童サービスに携わる憧れの司書の方。現在は大学での教鞭も執られている。1時間半程度の短い時間だったが、純粋に読み聞かせだけをテーマにした研修会は久しぶりだったので、初心に帰ったような新鮮な気持ちで過ごした時間だった。幼い子どもへの読み聞かせの良さ、絵本の良さを私も司書として意識して伝えていきたいと思う。紹介していただいた絵本の中には、知っているけど読み聞かせで読んだことはないなぁというものも多く、今後試したいものばかり。
学校の朝の時間だったり、図書館を訪問した保育園児相手だったり、子どもたちの前で読み聞かせをする、ということに携わって20年を超える(やだ...未熟すぎて恐ろしい...)。読むことそのものの緊張感はなくなり、ハプニングへの対処や手強い子がいる時でもある程度の度胸もついてきた。けれども、15分程度の短い読み聞かせの時間に、聞き手の子どもたちと読み手の私が一緒に作り出す空気感は、毎回毎回、ほんとうに違う。まさに一期一会。
子どもたちがよく聞いてくれた、とか、全然集中してなかった、というような分かりやすい感想だけでなく、言葉にするのが難しいような、かけがえのない雰囲気に身を置けるのは幸せだなぁと思う。20年もの間、ボランティアグループや学校との関わりを続けてきた役得とも思うが、図書館員なら皆がやってみてほしい。オススメである。
物語の絵本も好きだし科学絵本も好きだ。様々な科学絵本が出版されていて、読み聞かせに科学絵本を選ぶことも多い。私がそっちの分野に疎いので、絵本を読むと、なるほどなるほどと感心しきり。子ども向けと侮ってはいけない。宇宙のことも、海底のことも、数学のことも、体の中のことも、分かりやすく愉快に書かれている。
『バナナのはなし』(伊沢 尚子/文、及川 賢治/絵、福音館書店、2013)は大好きなバナナの絵本。暑い国から緑色のうちに大きな船に乗って日本に運ばれてくること、種がないのにどうやって増えるのか、皮をむくと出てくる白い筋は何なのか、他にも知らなかったことがいっぱい。その中でも、葉と葉の間に出てくる紫色の膨らみを「苞(ほう)」といい、苞の中に花が咲き、バナナの実ができることは、植物のしくみの不思議だ。
私はこの絵本で苞を知ったのだが、先日、勤務する図書館から見える街路樹が白い花でいっぱいになっていることを利用者さんに教えてもらった。調べてみるとヤマボウシの木である。白い花のように見えるものは苞とのこと。私の頭の中は「バナナ!バナナのはなし!」である。この季節に咲くハナミズキやハンカチノキも花のように見える部分は苞とのこと。ドクダミの白い部分やポインセチアの赤い部分も苞。花だと愛でていた部分が苞だったとは!ほ、ほう!
ヤマボウシの赤い実は甘くて美味しく食べられることも、図鑑に記載されていた。秋になったらまた街路樹を見上げてみよう。(石)
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