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タイトル 本の風

第65回 「みんなのひみつ」

 勤務先の学校図書館の入口にはショーケースがあって、毎月テーマを決めて本を並べている。季節にあわせたものを展示しているのだが、子どもたちに頼むと自分では思いつかないような本を飾ってくれるのでおもしろい。
 7月は『エアコンのひみつ』『氷のひみつ』『昆虫のひみつ』『家庭用殺虫剤のひみつ』と学研のひみつシリーズが4冊。ほかには『カマキリ観察事典』(小田英智/構成・文 草野慎二/写真 偕成社2000)に『アリからみると』(桑原隆一/文 栗林慧/写真 福音館書店2004)そして『職人の技が光る 花火の大図鑑 種類、作り方から歴史まで』(日本煙火協会/監修 泉谷玄作/写真 PHP研究所 2009)と、見事に読み物が入っておらず、好きなものを選ぶとこうなるのか、と教えてもらっている。
 今年度から図書室の掃除当番の子たちや、図書委員に任せることにしてみたら予想以上に本を借りてもらえるようになった。一見偏っているような展示でも、小学生同士で通じ合う何かがあるのだろう。

 学研のひみつシリーズは、自分も小学生の頃たのしく読んでいた。マンガでわかりやすく解説してくれるので、本選びに困ったときは迷わず手に取っていたものだ。特に好きだったのは『動物植物 名まえのひみつ』(相田克太 川崎てつお/漫画 学研1977)だ。最近読み返したくなったので探してみると、昭和50年代の本でありながらも、ちゃんとフリマサイトにあった。700円で手に入れることができ、懐かしいやらうれしいやらで、久しぶりに買い物で興奮した。これだからネットショッピングはやめられない。
 40年以上の時を経て読み返してみると、好きだったページを発見。「ママカリ」という魚の名前のひみつである。この魚はあまりにおいしいので自分の家のご飯(ママ)だけでは足りなくなって、隣の家のご飯を借りに行かなければならなくなるという。子どもの頃はどれほどおいしい魚なのだろう、と想像するだけだったが、調べてみたら岡山県の郷土料理ということがわかった。近いうちに食べるのも夢ではないかもしれない。

 つい最近も「昔読んだ蚊取り線香の本はどこ?」と高学年の子に聞かれ、インタビューしながら探してみると『家庭用殺虫剤のひみつ』であることが判明。20年前の本なので傷んでおり、除籍予定にしていた本だった。手渡した時のうれしそうな顔は忘れられない。その子は、低学年の頃に読んで気に入っていたそうだ。めったに図書室を利用することもなかったが、急に思い出して、今度の朝読書で読みたくなったそうである。
 ああ恐るべし、ひみつシリーズ。私が読んでいたころとはずいぶん絵や内容は変わったが、小学生をひきつける魅力はそのままだ。いま、カフェボードで図書委員がお勧めしている本も『森と木のひみつ』だし、去年の図書委員も年に一度しか書かないおすすめ本のポスターで『皮ふとぬり薬のひみつ』を紹介していた。みんないったい、どうしてその「ひみつ」が好きなのか、なぜ読もうと思ったのか、仲間を募って語り合いたい。(真)

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