
見渡す限りの黄金色の絨毯、実りの稲穂がすっかり刈り取られて今では裸んぼうのようだ。ハクチョウが飛来し、田んぼで落ち穂を食べる様子を見かける日もすぐだろう。今年の雪は多いだろうか。
稲刈りの季節になるときまって頬から首にかけて真っ赤になって、鼻水を垂らしていたのよと、お昼休憩中に同僚が話していた。大人になって皮膚科に行く機会があり稲わらにアレルギー症状がでることがわかり、腑に落ちたと言っていた。小さいころはアレルギーとも知らず、延々と続く通学路の田んぼ道を毎日歩いていたという。
私も小さいころ、食事のあと、口の周りにブツブツができることがあった。しばらくすると収まるが、なんだろうなあと思い家族に話すと「ほいどいぼだ(ほいど=食い意地がわるい、いやしい)(いぼ=出来物)」とか「だらぐいぼだべ(だらぐ=汚い)」とか言われた。いやしいほどに何かをたくさん食べたのだろうか、口の周りを汚すような食べ方をしたのだろうか。子ども心にも惨めな気持ちになったことを覚えている。
今となってはあれは何かしらのアレルギーだったのだろう。風邪をひいてもお腹いっぱいご飯食べて寝たら治る!という考えの家族には、食品アレルギーそのものに思い至らなかったに違いない。
同僚は同世代である。そんな時代だったよねと、笑い飛ばしてお昼休憩を終えた。おかげさまで私も同僚も元気いっぱいに育って大人になったが、今は色々な配慮が必要な子どもたちが大勢いると、学校給食に関わる知人が話していたことを思い出した。
お腹が痛いよーという子どもの訴えにママが大慌てではじまる絵本、『ママ、ママ、おなかがいたいよ』(レミイ・シャーリップ,バートン・サプリー/ぶん、レミイ・シャーリップ/え、つぼいいくみ/やく、福音館書店、2022)
お腹が大きく膨らんだ男の子。帽子を探しているママ。ママはお腹が痛いという男の子のためにお医者さんを呼んだけれど、お医者さんもびっくり! 馬車を飛ばして病院へ連れていくと、男の子の膨らんだお腹から次から次へと出てきたものは......。繊細な切り絵で表現された絵本は鮮やかな色彩で見ているだけで楽しい。最後にはお腹の痛みも収まって一件落着。と言いたいところだが、あれれ、帽子が見あたりませんよ。ちょっと不思議なお話。読み聞かせのときには、クイズのように切り絵のシルエットを当てっこしながら読むのもおすすめ。
お腹が痛いときは、何かがお腹の中に入っているかも、と子どもたちに言って笑わせるけれど、ほんとうに痛いときは、大人のひとに言うんだよとも言わなくちゃね。
初版で出版されたのが1981年。長らく絶版本で手に入らない絵本だったのが2022年に再販され、勤務していた図書館で喜んで購入したものだ。今回調べると、またもや出版社品切れ。とても残念だけど、ぜひお近くの図書館で見つけてほしい一冊。(石)
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