皆様こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
今年も、湿気とお付き合いする時期がやってきました。くるくる度3割増し(当人比)ヘアーになっております。湿気は困りものですが、雨が実りを支えてくれると思うと、ありがたいな、と思いなおしつつ、鏡の前で格闘する日々です。昨今、天候が激甚化することも多いので、おだやかに四季が移り変わってくれることを望むばかりです。
雨が降るこの時期、お子さん連れでお出かけするのが大変ですよね。カッパを着て、長靴はいて、傘をさして・・・。自分だけではなく子どもの身支度にも時間がかかります。お散歩にも行けない日が多くなります。そんな時に、私はわらべうたに出会いました。おうちで歌いながらスキンシップもできてしまうわらべうたは、魅力がいっぱいです。ご自身が歌ってもらった経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回は「わらべうた」の絵本をご紹介します。
一冊目は、『ねーずみ ねーずみ どーこ いきゃ?』(※1)です。「ねずみさんねずみさんどこいくの?」という問いがタイトルになっています。その答えは「わが巣」(自分の居場所)という、とてもシンプルな絵本です。わらべうたの歌詞は地域の言葉も多くあり、意味や発音がわからない、というものも多くあります。この本は「唱え」の本で、音程はなく、言葉をリズムに乗せて楽しむわらべうたです。また、歌に合わせて、こちょこちょ遊びができます。リズムや遊び方は巻末に掲載されています。
わらべうたの中で登場するのはねずみだけですが、この絵本ではさらに、うさぎやこぐま、はなちゃんとたくさんの「どーこいきゃ?」が描かれています。降矢ななさんの絵がなんともいえずやさしいタッチで、わらべうたに合っています。普段の降矢さんの絵本とは違い、背景を極力描かずに、キャラクターの表情を味わえる一冊です。
二冊目は『いろいろ おせわに なりました』(※2)です。この絵本が取り上げているのは「おちゃをのみにきてください」というわらべうたで、こんにちは、さようならというご挨拶が繰り返されます。メロディーがあるわらべうたで、巻頭に楽譜が載っています。ですが、使っている音は3つだけ。ドレミ3つの音で歌えます。
シンプルな繰り返しの絵本なのですが、やぎゅう げんいちろうさんの遊び心がつまった一冊です。絵をよーく見るとなにかが変わっているのです。変化したものが何なのかも見つけながら、目と耳で楽しめる絵本です。
わが子ともかなりこの歌で遊びました。こんにちは、さようならのところで向き合ってお辞儀をします。挨拶をするということを、しつけではなく遊びの要素で取り入れられるのが、穏やかな子育てにつながるように思います。
三冊目は、『ととけっこう よがあけた』(※3)です。朝にぜひ歌いたいわらべうたです。メロディーのあるわらべうたですが、2音で歌えます。巻末に楽譜がついています。元気いっぱいの子どもを「まめでっぽう」に例えて、「朝になったよ、起きておいで」と呼びかける優しいわらべうたの絵本です。
この絵本ではにわとりさんが、歌いながらいろんな動物たちを起こしていきます。「おはよう」が何度も繰り返されて、とてもすがすがしい気持ちになれるのではないでしょうか。
私は子どもがぐずぐずと朝起きられないときにこのわらべうたをよく歌いました。幼稚園に行かなくてはいけないのに、起きてくれない子どもに焦りと怒りが沸き上がります。そんな時に「起きなさい!」と言うのではなく、このわらべうたを何度も何度も繰り返し歌うことで自分自身もゆったりした気持ちになれました。登園時間に間に合わない日もありましたが(汗)、子どもにとっては、叱られながら過ごすよりも、きっと気持ちいい朝だったのではないかと親としては願うばかりです。
図書館で行うわらべうたの会でも必ず最初に歌います。初めて会うお子さんは、おそるおそるという感じですが、慣れてくると元気よく「おはよう」と言ってくれることもあり、私たちも元気をもらえます。
今回は、日本のわらべうたを紹介しました。もっとたくさんのわらべうたを知りたいという方に、『みんなであそぶ わらべうた』(※4)、『わらべうたで あそびましょ!』(※5)など、たくさんの絵本が出ています。楽譜がついているものも多数あります。ぜひ手に取ってみてください。
そして、今はYouTubeなど、動画でわらべうたも紹介されていますが、それを聴かせるだけではなく、ぜひおうちの方の声で歌って、スキンシップを楽しんでもらえたらうれしいです。
design pondt.com テンプレート
こばやしえみこ 案,
ましま せつこ 絵,
こぐま社,2005