〈目 次〉
プロローグ
1. 「ちりめん本」の誕生
2. ちりめん本「日本昔噺」シリーズの海外への販売
3. ちりめん本を彩った人々
第1章 ジェイムス夫人の日本生活
1.生い立ち
2.「海軍の任務」による来日
3. 芝山内での生活
4.バジル・ホール・チェンバレンとの交流
5.ジェイムス夫妻と皇室
6.日本の人々との交流
7.日本人への英語教授
8.火事で焼け出される
9.日本の友人と最後の家
第2章 教科書になった『桃太郎』
1. ジェイムス夫人と『桃太郎』
2. 「教育書房」弘文社と長谷川武次郎(はせがわたけじろう)
3. 明治の教科書行政と弘文社
4. 教科書になった『桃太郎』
5. 『英文日本昔噺独学 第一』
6. 弘文社のその他の英語教材
7. 明治の『桃太郎』
8. もう一冊の『桃太郎』
第3章 狐・猫・狸がばける国日本
1. 明治初年の日本の昔話の翻訳書
2. 西洋からみた日本のおとぎ話
3. 「ばける国」に魅せられた小泉八雲(こいずみやくも)
4. 『野干(きつね)の手柄』の子狐の仇討
5. 日本の民話や伝承にみる「ばけくらべ」
6. 超能力を持つ狸の物語『文福茶釜(ぶんぶくちゃがま)』
7. ばけ猫を退治する『竹箆太郎(しっぺいたろう)』
8. ばけものと戦う『羅生門(らしょうもん)』、『大江山(おおえやま)』
第4章 英雄になった古事記の神
1. 日本最古の古典『古事記』
2. チェンバレンによる英訳 Ko-ji-ki
3. チェンバレンの『八頭の大蛇』
4. 鰐(わに)の背を飛ぶ『因幡の白兎』
5. 王子と姫の物語『玉の井』
6. 神話からおとぎ話へ
7. 英雄譚への翻案
8. 鰐(わに)の背を飛ぶ兎
第5章 女の子の物語
1. 世界に流布する鏡の物語
2. 謡曲『松山鏡』
3. ヨンケルの『越後の少女』
4. 継母が登場しない『松山鏡』
5. 『三草紙絵巻』の「はちかづき」
6. ブラウンズの「木の椀をつけた少女」
7. 野良で働く『鉢かづき』
8. 『松山鏡』と『鉢かづき』の共通の主題 ― 顔(美)を隠すこと
9. 再版『鉢かづき』の挿絵
第6章 麻生武平の語った物語
1. 創作か翻訳か ―「続日本昔噺(大判)」と第2シリーズ
2. 父への思いを語る『思い出と忘れ草』
3.『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』の
「兄弟二人殖萱草紫苑語」(きょうだいふたりわすれぐさしおにうえしこと)との比較
4. 「忘れない」と「忘れたい」
5. 児童書などにみる「紫苑と忘れ草」
6. 『今昔物語』の翻訳と麻生武平が語った物語
7. 『不思議の小槌』とその原典
8. 『壊れた像』のばけものたち
エピローグ~日本を離れて
1. 『欧米美術行脚』にみるジェイムス一家のその後
2. グレイスによる 「日本のおとぎ話」の伝承
3. ハーンの『日本のおとぎ話』
4. アーサー・ジェイムスとピゴットの友情
5. アーサーの東京赴任とグレイスの東京来訪
6. Japan, Recollections and Impressions に込めた思い
7. John and Mary による日本のおとぎ話の伝承
8. まとめ
【コラム】
1.インターネットで見るちりめん本
2.オペラになったちりめん本『寺子屋』
3.芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の原作『カルマ』
4.寄席と落語の紹介『日本の噺家』
5. 狂言になったハーンの『ちんちん小袴』
6.バジル・ホール・チェンバレンのAino Fairy Tales
(「アイヌおとぎ話集」)